待ちに待った一般公開を迎えた19日、抽選を通った幸運な468組の1419人がシャンシャンと対面した。観覧は事前抽選制で1日最大400組(1組5人まで)の2000人が目安とされるが、実際は多めに当選が出ていた。申し込みは約1万8300組あった。
記念すべき一番グループ(午前9時45分の回)の一番目に見学したのは愛知県の4人家族。息子(39)の妻(38)が当選したという男性(65=製造業)は「かわいかった。会社には体の調子が悪いと言って休んだ。今はピンピンしてます。あ、シャンシャンしてます」とジョーク交じりに話した。
10時15分の回に並んだ茨城県の3人家族は「お母さん(シンシン)がシャンシャンの首をくわえて歩いてたり、一緒にジャレて遊んでいた。親子ツーショットが見られてうれしいです」(36=母親)。幼稚園に通う娘(6)も「ちっちゃくて白と黒でかわいかった」と喜んでいた。
世田谷区から来た女性(38)は「4歳の息子は朝が苦手なのに、今朝は『シャンシャン』って言って起こしたら跳び起きました。魔法の言葉です」と笑顔。
パンダの赤ちゃんは一日の大部分を寝て過ごすが、「本番でちゃんと起きてくれるサービス精神はさすが。スター性がある」と動物園関係者をも喜ばせた。
一方、上野の街も沸いた。アメ横では「シャンシャン公開記念」として多くの店舗で半額セールを実施。鮮魚店が「シャンシャンが公開されたから、今週は4000円を半額の2000円でいいよ~」とズワイガニを持ち上げておなじみのダミ声を張り上げた。
煎茶販売店「茶の君野園」ではシャンシャンの絵柄入りせんべい(5枚540円)がバカ売れ。「命名の翌日に作りました。今までに1000袋は売れました」(店員)と笑いが止まらない。
変わりダネでは「コトブキゴルフ」のシャンシャンの文字とイラストが入ったゴルフボール(1ダース1850円)が売れている。店員は「ゴルフをやってない人も買ってくださいますから。パンダを嫌いな人はいません! シャンシャンさまさまです」。乾物店も「祝シャンシャンお披露目」とパッケージに記載された「だしパック」が「どれくらい売れたかわからない」ほど売れた。
そんななか、大人の男性が喜ぶ割引を本紙は発見した。デリバリー型の添い寝店「上野添い寝女子」では「香香一般公開記念!」と題して、最大3000円の割引を実施している(今月30日まで)。
店長は「12月1日から始めた企画です。プレー前のシャワーから出てきたときに、女の子がパンダ柄のパジャマを着ていたらコース時間に応じて最大3000円(120分の場合)の割引をさせていただいております。パンダパジャマの女の子は毎日1人だけ決まっていて、誰かは内緒です」と話す。さらに、一般公開された19日からは「パンダパジャマの女の子の数を増やした」ので当選確率は倍になるという。パンダと同じくらいかわいい女の子や、おっぱいがパンダみたいな女の子が在籍しているとも(割引の適用チャンスは指名が条件)。
また、あるナンパ師からは新手のナンパが出てくるとの予測が浮上。シャンシャン観覧の抽選は当選した本人を含めて1枚で5人まで入場できることから「当選者は身分証が必要だけど、他の4人は身分証なしで誰でも入れる。『券を持ってるから、一緒にパンダの赤ちゃん見られるよ~』という声かけに興味を示さない女の子がいないわけがない。一般公開が続く限り、動物園の近くや上野駅で“シャンシャン・ナンパ”がはやるはず」と予想する。
シャンシャン公開は様々な便乗商売で経済効果をもたらし、多くの人間を踊らせ始めた。